新宿から中央線で約40分。中野、高円寺、阿佐ヶ谷、吉祥寺・・・中央線沿線の個性ある街を経過し、立川を過ぎると車窓には、連なる多摩の山々が現われる。多摩川と浅川が相まみえる日野台地の突端に位置する多摩平。「豊田」駅に降り立ち日野台地の河岸段丘を眺めると、自然に帰った気持ちになる。都心からたった40分で味わえるこのトリップ感は爽快だ。
歴史を辿れば、多摩平は縄文の代から人々が住み繋いできた地。大正時代に天皇の御料林として守られた森が生い茂り、戦後、その地に農村神学校を開いたストーン牧師の話が今もなお人々に語り継がれている。
歴史が証明する豊かなこの地で、昭和30年代中盤に建てられた公団住宅「多摩平団地」。築50年を経たその団地住棟を活かし、緑豊かな空地に老若男女が思い思いに時を過ごすことができるきっかけを散りばめた賃貸共同住宅が『AURA243 多摩平の森』だ。
この『AURA243 多摩平の森』の最上階の部屋を借りたのは、こまつさんとたにあいさん。以前住んでいたのは馴染みのある街、高円寺。2人は好きな街での暮らしを満喫する一方で、段々と部屋を手狭に感じるようになっていた。引越し願望を持ちながらも、周辺の家賃と広さの折り合いがつかないまま時間が経っていた。そんな折、多摩平団地の再生プロジェクトでブルースタジオが設計を手がけることを知った。
「初めは、1LDK、42平米で8万円台という値頃感に驚いて。ちょうど彼の職場が都心から離れたこともあって、西側に移住するのもありだなと思ったんです。ブルースタジオの物件に1度は住んでみたい!という想いも大きくて」(たにあいさん)
「大人になってから団地が好きなんですよ。ゆったり建っているのでバルコニーから緑や広い空を眺められたり、縦長ではなく横に広い間取りも風が抜けて気持ちがよくて」(こまつさん)
完成を心待ちにしていた2人は、工事中のスケルトン状態の部屋を見て早々に、最上階の部屋に入居を決めた。決め手は天井が高いことと眺めの良さ。見上げれば、隣の白い団地に映える青空を眺めることができる。
玄関ドアにはカラフルなマグネットの表札。ドアを開けると玄関には木製のラックに2人分の靴がキチンと収まっている。ベッドルームとリビングの仕切りや、オープン収納の目隠しなど、至るところにマリメッコの布が掛けられている。
「以前住んでいた部屋でも布を使って間仕切り代わりにしていたんです。AURAに引っ越してもちょうどぴったりで。ほとんどの家具が前から使っていたものなのですが、この部屋にきて生き生きと楽しそうにしてくれていて嬉しいです」(たにあいさん)
たにあいさんのセンスで選んできたものを、最終的に彼に確認をしてから購入する。そんな風に2人で暮らすようになってから集めたモノ達が、無垢フローリングと白い塗り壁の空間のなかでリズミカルに配されている。
「以前は“家”というより、住んでいる街に帰りたいな、という感じだったんです。でも、ここに住んでからは、この“家”に帰りたいなって思うようになって。前よりも家にいる時間が長くなったり、もっと料理をしていきたいなと思うようになりました」と笑う2人。家で過ごす時間を楽しみつつ、休日は中央線に乗って色々な街へ遊びに行くことも多いそう。
既に10世帯ほどの入居が始まった『AURA243 多摩平の森』では、翌週末にウェルカムパーティが予定されている。貸し菜園の中ほどにある東屋とバーベキューサイトを中心とした広場を会場に、老若男女の入居者や近隣に住む菜園の利用者たちが集まって、飲食と会話を楽しみながら思い思いの時間を過ごしてもらうものだ。
「まだ他の住人の方とお知り合いになれていないんですが、ここにどんな人達が入ってくるかはとても気になってますね」(こまつさん)
白いキャンバスに思い思いの絵を描いたような2人の家。これからはその色を部屋の外側にまで広げていってくれそうだ。
2011年9月11日 『AURA243 多摩平の森』にて
撮影:薬師寺将 取材・文:和田亜弓 (共にbluestudio)
<今回の入居物件のご紹介>
東京都日野市多摩平 『AURA243 多摩平の森』
専有面積:42.3米
竣工年:昭和30年代中盤
リノベーション完了:2011年7月
物件詳細は、「借りる」の『AURA243 多摩平の森』をご覧下さい。
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